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長野県・天竜峡の紅葉 2012年11月11日 [徒然なるまま]


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中央高速バスで移動中、双葉サービスエリアから見えた富士山。
久々に奇麗に見えていた。やはり立派である。

撮影:20121110
撮影機材:全てSONY NEX-5N+標準レンズ or 210mm望遠レンズ


実家がある長野県飯田市。飯田市には様々な観光資源があるが、その中に天竜峡と言う場所がある。なんとここは国定公園なのだ。正確には奥三河国定公園。従ってここは景勝地で、観光地としても素晴らしい場所だ。
1970
年代は、駅前を中心とし、船下り客などで溢れ随分と栄えていた。土産店をやっていた母の実家にはいつも大勢のお客さんがおり、子供時代の私には眩しい場所だった。
1989
年には温泉も出て中央高速道路との連携もあり客足のピークを迎える。しかしそれ以降は次第に客足を落とし、駅前のホテルもなくなり、私が高校時代までに見かけていた光景は少しずつ消え去る。しかし今もなお、魅力的な場所だ。

今回ちょっと実家に所要があり、折角なので東京に戻る前の僅かな時間を割いて天竜峡の紅葉を見に出かける。

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飯田線は単線なのだ



天竜峡に向かう飯田線の最寄り駅は当然のように無人駅。私が小学生の頃までは女性が切符を売っていた。
つい先日飯田線の9駅が追加で無人になるという報道もあった。地方路線のセルフサービス化は止まらないようだ。まあ、致し方ない面も多かろう。

昨今は飯田線の南部地域(天竜峡以南)は秘境列車と言われており、無人駅や秘境駅マニアが訪れる場所でもある。地元の人には微妙な気分だ。
特に天竜峡以南の飯田線の駅群は地元民でも秘境というような環境や場所に設置されている場合が多いので、他県からの人には堪らないのだろう。為栗とか小和田なんかは人気のようだ。

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天竜峡駅に上下列車が揃った図

天竜峡は紅葉や桜の時期でなくても天竜川が作りだす素晴らしい光景が広がる場所であり、もしこのブログを読んでご興味が沸いたら是非一度は訪れて欲しいと思う。

では東京への戻り時間の関係で11/11の早朝に家を出て駆け足で紅葉を楽しんだ様子をレポート致します。

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JR天竜峡駅

天竜峡駅を出て、踏切を渡り直ぐ右の道を入るとつつじ橋(吊り橋)へ向かう事が出来る。

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駅からつつじ橋までは徒歩で810分程度だ。周辺には公園もある。

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道の途中では既にこのような紅葉を楽しめる


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名所 龍角峯
独特な岩肌と紅葉が芸術的だ。


つつじ橋に向かう道はすぐ見つかる。橋に向かう途中には天竜川の対岸にそびえる「龍角峯」が見える。高さ70mほどだという。実はこの場所はかつて自殺の名所でもあったが、昨今はさすがに無いようだ。長野県の下條村出身のタレント・峰竜太氏の名前は、この龍角峯を由来にしていると聞く。


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つつじ橋の袂にある湧水所


やがて橋の突端に出る。正直言って、この橋は高所恐怖症の人には渡れないかもしれない。歩くと微妙に揺れるのと、左右は鉄製のロープしかないので絶景を見るには最高のデザインなのだが渡る間は結構シビレル。私でさえも渡る時は股間に風が吹くような感じがした。


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つつじ橋
幅は人間3人分程度。長さは60m位。


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つつじ橋の中央部から見える左右の絶景。
この日はちょっと薄曇り気味。



しかし橋の中央まで来ると、左右に絶景が拡がる。周辺には様々な野鳥が飛び交っていて美しい。鳥の名前は分からず。

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野鳥の姿がソコココに見受けられた。
鳥の名前は分からず。



なお、少なくとも私の知る限り、観光客がこの橋から転落して死亡したという事故は聞いた事がないので、気を付けて渡れば大丈夫な場所だと思うので挑戦して欲しい。

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龍角峯(手前)へ向かっている遊歩道



つつじ橋を渡り龍角峯へ登る。先ほど見えていた龍角峯の突端からの光景は実に絶景だ。幾つか写真でご紹介致します。

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龍角峯からの絶景。
川の中に見えている船は、観光用の船

誰も居なかったので、しばらく独り占め。

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龍角峯からつつじ橋方向を見た風景 

 
眼下には翡翠(ヒスイ)色をした天竜川と奇石群が独特の光景を形作っている。また紅葉がその光景に華を添え、特別な色合いにしてくれる。
地元に居た時代で、特に高校時代は、毎年この光景を楽しむ事が出来たはずなのだが、若い頃はこういうものにさほど視線が向かわない愚かさを改めて感じずにはいられない。自然の色合いとは本当に素晴らしい。今更そんな事に目覚めてきた。


実は、通常の遊歩道以外のルートには別の絶景ポイントがある。ただ、普通の方法ではそこには行けない。
絶景ポイントへの道を以下に説明しよう。

電車が天竜峡駅を出て豊橋方面進むと、直ぐにトンネルに入るのだが、トンネルを抜けた瞬間に鉄橋を渡るのだが、進行方向右側に拡がる天竜川の光景が素晴らしいのだ。
この場所を電車以外の場所から見るためには、隣の千代駅に行く必要がある。電車での移動だと運行時間の関係でなかなか行けないので、駅前のタクシーを利用すれば千代駅前までは行ける。この距離なら2,000円程度以内で収まるはずだ。

千代駅についたら、非合法だが飯田線の線路上をテクテクと天竜峡駅方面に10分程度歩く。すると前述の鉄橋に出る。
ここから見える光景は本当に素晴らしい場所なのだ。私は高校生の時代、ここからさらに鉄橋を上り方向に渡って川の反対側に行って改めて絶景を堪能したが、この方法は本当に危険なのでお勧めしない。危険ついでに500mの長さのトンネルの中を歩いて天竜峡駅まで戻った。その方が近道だからだったからだがこれもお勧めしないし、今の時代では逮捕されるかもしれない。
ティーンの時は無茶するもんなのだ。当時の国鉄さん、本当にごめんなさい。
なお、千代駅からは天竜川の河畔に出ることも可能なので、行ってみることをお勧めする。この周辺も景色が素晴らしい。
ただし、帰りの電車の時間には気を使って行動しないと大変なことになるので要注意。


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やっぱり長野県はリンゴだね。


さて、龍角峯を後にして、先を遊歩道に従って進むと、大きなリンゴ農園がある。ここではリンゴ狩りなどができるようだが、周囲の紅葉も素晴らしく散歩に最適だ。リンゴはとても大きく美味しそうだ。
しかしリンゴ農園周辺には、特に厳重な柵もなく、田舎のノドかな感じが残っていて嬉しい。


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フトした場所に美しい光景がある


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リンゴ園内のカエデが美しい

遊歩道沿いには陶器を焼いたりするお店があったり、お土産屋さんが散見される。

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心が癒される風景が拡がる

遊歩道沿いには陶器を焼いたりするお店があったり、お土産屋さんが散見される。

更に川沿いに歩を進めると下の写真のような野鳥が柿をついばんでいる光景に遭遇。この手の写真はなかなか慣れないので私には撮影が難しいが気は心で一枚。もうちょっと開放で撮影すれば良かった。

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一句。柿食えば 秋が深まる 天竜峡
(あれどっかで聞いたことあるな・・)



かのように、天竜峡周辺は様々な見どころがあるのだが、交通の便が悪いため、深度の高い観光をするには小回りが効き難いという欠点がある。
大型観光バスで来て船下りをして、私が歩いたような遊歩道周辺を散策し、リンゴ狩りをすると基本的にはツアーは終わりというパターンだろう。

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天竜峡駅に近い橋の上からの光景 #01



もう少し足を延ばせる事が可能な交通インフラがあれば、天竜峡には様々な楽しみ方もあるのだが、残念ながら無いのが天竜峡の観光地としての更なる発展への課題かもしれない。
あと2030年程度でリニアモーターカーが地元付近に開通すると言われており、期待も大きいが、周辺の観光地を一定以上に発展させるためには、地元民の不断の努力も必要だろう。

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天竜峡駅に近い橋の上からの光景 #02



高齢化問題による観光地周辺事業の継続も課題だ。これらが予算で解決できる問題なのか、工夫で解決できる問題なのか、今、問われているように思う。


奥三河国定公園 天竜峡 公式 WEBサイト:
http://www.tenryukyou.com/


付録:

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実家にて撮影



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実家にて撮影

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