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中国・韓国が科学分野のノーベル賞受賞者を誕生できない本当の理由 [徒然なるまま]



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日本は山中教授を含めこれまで19人が受賞しているが、中国・韓国はノーベル平和賞だけ。
世界の注目を集める賞だけに日本に対抗心を燃やすのは理解できる。

「科学・医学・物理分野のノーベル賞は国の悲願」という両国になぜ受賞者が出ないのか。
中国のジャーナリスト・周来友氏は「教育制度に原因があります。詰め込み、試験偏重による丸暗記が多く、創造性に欠ける」と指摘する。さらに周は「貧しかった中国を手っ取り早く発展させたので、他人の成果を真似るパクリ文化が広がり、地道な研究は苦手なのだ」という。
実は日本だって戦後は似たような部分を持っていた。しかし中国、韓国が基礎研究分野等でノーベル賞を受賞できるような成果を上げられないのは、彼らの国を覆う思想に根本的根拠があるのだ。

中国・韓国が“地道な研究は苦手”というのにはキチンとした理由がある。
未だに儒教・朱子学の思想が強いのがその主たる理由なのだ。
日本で云うと士農工商という身分社会を有していた江戸時代の社会思想だ。
この思想のオリジナルは中国であり、日本にも奈良時代の律令制度のような形で入り込み、韓国は中国に支配を受けていた朝鮮時代を中心にその影響を強く受けたと言われる。

日本では「士=サムライ=実質的支配者」であり、中国・韓国では「士=士大夫=官僚/両班=実質的支配者」の構図だ。
儒教は中央集権国家の根本であり、簡単に言えば選ばれしエリートが愚民を指導・教育し国を運営するという思想だ。
中国・韓国は、エリート出身大学かどうかで人生が大きく変わる。

日本だって公務員上級試験をパスした連中がキャリア組と言って特に客観的な理由もなく霞が関で出世コースがノンキャリアに比べて優遇されているのは、江戸時代の儒教思想の名残だと言える。いわゆる科挙制度だ。そういう意味では現在の日本も僅かだが政治機構の中に儒教思想が現存する。

こうした思想の影響のため、中国・韓国には日本のような「老舗」がない。儒教国は日本のように何代も継続する酒屋やお菓子屋のような仕事を社会的に非常に下に見る傾向があるからだ。
儒教国の国民にとって、地道にコツコツやることは、エリート頭脳階級と比較して社会的価値が低いという信仰があり、これが基礎研究者の育成や製造業の継続を阻んでいる。
また頭脳よりも肉体を使う仕事や技術的業務に携わる人々の社会的地位が低いのはこうした背景があるからだ。
だから製造業が根付き難い社会環境で、島津製作所の社員でノーベル賞を受賞した田中耕一氏のような人材は中国・韓国からは非常に出にくいと言える。


ここまで語れば何故中国・韓国が“地道な研究は苦手”という一端が分かるだろう。10年も20年も成果や褒美が出るかどうかも分からない仕事をコツコツやることは、日本人には美学だが、彼等には人生の無駄とさえ映るのだ。これは良い悪いではなく、そういう信仰の下で国をまとめている彼らの宿命だと言える。

日本では尊敬される造り酒屋や何代も続いたお菓子の老舗、漫画家や小説家なども中国、韓国では社会的地位が非常に低い。
そのために、彼等は直ぐに結果の出るものに飛びつく傾向があり、蓄積が出来難い社会構造になってしまったのだが、その根本には儒教思想が根強くあるのだ。

2005
年に韓国のファン・ウソク教授がES細胞論文不正事件で世間を沸かせたが、こうした背景には、成果への大きな焦りがある。
また中国や韓国が金にまつわる部分に日本人には理解できないようなこだわりや執着、問題を見せるのは、エリート的な支配分野以外で社会的地位を確保する手段が金銭面での成功くらいしかないからだ。


もしも中国・韓国が地道な研究に人員を集めるためようと本当に考えるのであれば、彼等の社会に無色彩に存在する儒教思想の毒を一度解毒するしかないと思う。
中国にも韓国にもノーベル賞を受賞できるような優秀な人材がいるはずだが、彼等がこの点を理解しない限り、将来に渡って科学分野のノーベル賞を生む事はかなり難しいというのが私の見解だ。
今回の件で大型予算を付けて基礎研究分野に力を入れるという両国だが、山中教授が言うように基礎研究者は一生を歯車に徹する事が出来るかどうかのような地味な存在であり、成果有りきで臨める仕事ではないのだ。
地道にやって報われないかもしれない仕事に自分の人生を賭ける覚悟を持った人々だけがノーベル賞の栄誉を受けられるのだと思う。

山中教授が今回の受賞を”自分は神輿に乗っただけ”と語るのは、今回の成果が過去の研究者たちの積み重ねによって成立しており、自分一人だけで成し得た成果ではないという基礎研究者のリアリティーを語っているに過ぎない。

日本の基礎研究に関わる殆どの人々はノーベル賞なんていう高尚な賞に縁のない人ばかりだ。予算だって研究環境だって必ずしも良い訳じゃない。研究者の殆どが非正規雇用で、この点は山中氏も指摘している。
地味で目立たない研究も多い。それでもコツコツやれるのは、日本の国民性であり、地道な人材育成の賜物なのだ。(イギリス人やアメリカ人もコツコツやるタイプが多い民族だ)


中国、韓国がこの分野でのノーベル賞を本当に望むのであれば、まずそうした成果を望まない姿勢が必要だとも言えそうだ。 


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